理系院卒と考える、一橋・東工大の起業家支援について

こんにちは、ゆきです。

前回は東京大学、慶応大学、早稲田大学ベンチャー支援のプログラムについてみていきました。

特に東京大学は幅広いサポート体制と門戸の広さが目立ちましたね。

今回は、都内国立大学の名門、一橋大学東京工業大学ベンチャー企業への支援についてみていきたいと思います。

 

一橋大学 如水ベンチャーズ

https://josuiventures.com/

OB/OGによる実践的なメンタリング・事業開発サポートで一橋現役生/卒業生ベンチャーの価値を最大化することを目的としている。

  • 主なサポート内容

資金的援助

ファンドによる資金的支援を実施。次ラウンドの資金調達も支援

現場支援

ベンチャー企業の支援事業を行う人の紹介や実質的な支援

一橋起業家のネットワーク

OB・OGの中でベンチャー支援を行える方のネットワークを提供

 

では、実際にこのプログラムがサポートしている企業を確認していきましょう。

 

株式会社BtoA

事業内容

社員のエンゲージメント・モチベーションをリアルタイムで見える化するサービス「BetterEngage」

https://betterengagee.com/

 

株式会社indigames

事業内容

日本で定年退職をした元会社員が毎週末にゲームのコードを入力している。シンガポールのウエイターがデザインのアイディアを練っている。IndiGamesは、この新しい世界の先駆者としての地位を確立し、やる気がある人のアイデアをビジネスに繋げ成功させるためのカギ/ツールを提供しております。

 

https://initial.inc/companies/A-36954

  1. ゲームエンジン開発
  2. ゲームパブリッシング及びゲーム開発
  3. 3Dデザインスタジオ

設立2018年12月

拠点は、東京都のほかにもベトナムにもあるみたいです!

サポートを受けるための詳細な内容は書いてなかったのですが、一応お問い合わせフォームがあるみたいなのでそちらからご連絡してみてはいかがでしょうか?

 

東京工業大学 研究・産学連携本部】

https://www.ori.titech.ac.jp/

研究・産学連携本部では、起業・ベンチャー支援の一環として幅広いサポートを行っています。

HP上でも情報は幅広く公開してあり、読み応えのある内容になっています。

その中でも学生スタートアップ支援向けに、ビジネスコンテスト、外部の支援、コミュニティの提供が行われており、起業に必要なナレッジの共有や研鑽の場が整っている印象です。

また、東工大ベンチャーの一覧も紹介されており、東工大自体が起業家支援に注力していることが伺えます。

https://www.ori.titech.ac.jp/venture/

 

一方で、やはり東工大の中の研究・産学連携本部ということもあり、学外の人がサポートを受けるには結構な障害があるようで、特に「東工大の研究成果等を活用した弁yター企業への称号の授与に関する規則」を満たすのが難しそうだと感じました(皆さんもチェックお願いします)。

https://www.ori.titech.ac.jp/venture/tt-venture/venture-app/

ちなみに、東工大ベンチャー称号授与件数、起業件数は2020年3月現在で115社あるそうです。

KBE株式会社

リストの中で一番最近承認を受けたのは「人事データベース運用特化型AIアシスタント」を開発しているKBEという会社のようです。

CEO 白壁さん(https://www.linkedin.com/in/kazuhikoshirakabe/?originalSubdomain=jp

 

あとは、

株式会社DSI

https://www.dsi.jp/

この企業は画像変化抽出技術、ディープラーニング技術によるデータ解析、ソフトウェア開発、センシングシステムを医療や農業その他幅広い業界に活用を考えている企業です。

さすが東工大代表取締役が教授、取締役が博士になっていますね、、、、、

てか監査役が副学長なのか、、、、

最先端のAI技術をビジネスのレベルまでに落とし込んだ事業を行っているそうですね。

 

東工大ベンチャー採択企業一覧を見ていただくと、最新技術・高度な技術力を基盤としたサービスの開発を進めている企業が多いですね。

一橋はこれから力を入れていくような状況であるのかもしれないので、在学生や卒業生の方々はこまめにチェックしてみるといいかもしれませんね!!

 

本日はここまで、依然としてTwitterのDMお待ちしております!!

 

 

理系院卒と考える、ベンチャー企業の支援について

こんにちは、ゆきです。

最近は起業が一般認知されてきて学生起業家も一部界隈では当たり前のようになってきてますね、、、、

今回は起業したい方をサポートする各大学のサポート体制について少し調べていくことにしました。

 

東京大学

東大IPC

https://program.utokyo-ipc.co.jp/?gclid=CjwKCAjwmrn5BRB2EiwAZgL9oovD5m-GeqkDoSwcqZP2tOvTqrNgZ9Xc1wSwjxh3NVAT9yyfbv0B_hoCDzQQAvD_BwE

協賛にはもちろん大企業が入っています。

JR東日本スタートアップ

芙蓉総合リース

三井住友海火災保険

三菱重工

三井不動産

日本生命保険相互

トヨタ自動車

 

主な活動

活動資金の提供を伴うコンソーシアム型のインキュベーションプログラム

資金だけではなく、開発リソース、オフィス、ITシステム等、本格的な事業開始に必要なリソースをハンズオン支援と共に提供することで事業の垂直立ち上げを実現。

採択先には次の経営リソースが提供される

  1. 資金(100万円)
  2. パートナー企業との連携
  3. SaaS(AWS1200万円)
  4. 専門家チームによる経営支援
  5. 提携アクセラレーションの参加
  6. アカデミアネットワーク
  7. 会議室無償寄与
  8. IPCコミュニティへの参加

このプログラムは起業家にとって重要な「資金」、「開発環境」、「業界ナレッジ」をほとんど無償で得られるようになっています。

さて、このプログラム、東大生しか受けられないのか??

実はそうではありません!!!

このプログラムの趣旨にはこのように書かれております。

起業を目指す東京大学関係者(現役学生、卒業生)や、設立3年以内の東京大学関連ベンチャーおよび東大との共同研究など具体的な計画を持つベンチャーに対して、立上げ時期に必要となる資金や経営支援を提供し、国内外で活躍する東大関ベンチャーを増やすこと。

 

 

ちなみに応募資格はというと、

応募条件は、『起業を目指すグループ』あるいは『起業から3年以内のベンチャー』のうち、ベンチャーキャピタル等から外部出資を受ける前の東京大学と関係のあるグループ及びベンチャー。なお本プログラムは年2回募集をしており、応募は何度でも可能です。

以下の条件を「1つでも」満たす場合は、東京大学との関係があるとみなされます。

  1. 東京大学の学部生、大学院生あるいは卒業生が創業グループの核(社長である必要はありません)として参画するもの
  2. 東京大学の教職員が役員兼業などの形で参加しているもの
  3. 東京大学での研究・学術活動から生まれた着想や技術を利用しているもの
  4. 知的財産の活用、共同研究や教職員との顧問契約など、東京大学およびその役職員と何らかの契約関係にあるもの
  5. プログラム終了までに2、3、4の実現を約束できるもの

 そのため、決して自分が東大生でなくとも応募することができるんです!

 

但し、東大関係者とのつながりが非常に重要であるため、人脈つくりは怠らないようにしましょう。

 

さて、この東大IPC私も興味がありますので、お話ししたい、という方募集中です! TwitterのDMまでお待ちしております。

 

 

【慶応大学】

慶応イノベーション・イニシアティブ(KII)

https://www.keio-innovation.co.jp/

大学の成果を活用して革新的な新事業を想像するスタートアップに投資を行うベンチャーキャピタル

ファンドサイズは45億円と65億円の二本、運用期間は2016年と2020年から10年間運用しています!

慶応については簡単に参加できるプログラムが見つからなかったので、引続きリサーチしていきたいと思います。

 

早稲田大学

早稲田大学 リサーチイノベーションセンター インキュベーション部門

https://www.waseda.jp/inst/inc/

こちらは早稲田大学学生がターゲットの支援サービス。

主に起業準備のためのオフィス、無線LAN、各種専門家からの助言を受けることができます。

更に一番のネックである開発用のソフトも利用することができるそうです!!

それが下記のMATLAB

https://jp.mathworks.com/products/startups/accelerator-form.html

 

 

ここまで、都内の3大学についてベンチャー周りの関連プログラムを見てきました。

私はシステム開発の経験がなくて、早稲田の開発用ソフトは大変魅力的に感じました!

システム開発アプリ開発のノウハウがない起業家の皆さんは起業時にどうしてるんでしょう??

 

引続き起業時のサポート環境について調べていきたいと思います!!

理系院卒と考える、ベンチャー企業について【農業・食料関連】

こんにちは。

 

今回はベンチャー企業の紹介編です。

「いろは」

https://smx-iroha.com/beginner/

葉色解析サービス

ドローン画像より作物の状態を見える化することによって、生産者は生育状況を効率的に取得・蓄積でき、生産性向上に

 

「SMART AGRI」

https://www.optim.co.jp/agriculture/smartagrifood/

ピンポイント農薬散布、施肥テクノロジーをはじめとした、スマート農業ソリューションを、米・大豆生産者の方々に無償提供し、付加価値を付けて生産された米・大豆を生産者価格で全量買い取り。

ミッションとして、最新テクノロジーを活用して農作物に付加価値を付けて稼げる農業を実現することを掲げている。

 

「inaho」

 

神奈川県鎌倉市小町

Raasモデルによる自動野菜収穫ロボットを中心とした生産者向けサービスの提供

収穫適期の作物を画像認識で判断して、ロボットアームで自動収穫、スマホで簡単操作。

 

 

「Plenty」

アメリ

https://www.plenty.ag/

 

ソフトバンクビジョンファンドからの出資を受ける農作物生産工場技術に関するベンチャー企業

植物工場にてケールなどの葉物野菜の水耕栽培を実施

 

「プランテックス」

http://www.plantx.co.jp/

設立2014年 千葉県柏市

企業理念として植物工場産の食品が流通するための3要素(信頼性、再現性、生産性)を兼ね備えた植物工場の確立を目指した技術開発

 

「ファームノート」

2013年設立 資本金116百万円

クラウド牛群管理システム。ファームノートのプロダクト「カスタムリスト」を使うと発情予定日を過ぎている牛やリピートブリーダー、行く約期間中の牛などを条件を指定して検索することができる。発情、授乳、治療履歴を複数の農家で管理することも可能

 

「BASE FOOD」

2016年設立 東京都目黒区

https://basefood.co.jp/

新しい主食、一食に必要な栄養素をすべてバランスよく取れる主食を作ることを目指している企業。実際に麺、パンなど幅広い主食で実現できており、HPで通信販売も実施しています。

 

とまぁ今回はベンチャー紹介の記事になったのですが、紹介だけではなくて何か検索リストを作ってみるのも面白いかも。

 

 

 

理系院卒と悩む、M&Aについて(アクティビスト編4)

こんにちは、ゆきです。

このシリーズもとうとう4まで来ましたね。

私のブログの中では最長になるのではないでしょうか。

今回はストラテジックキャピタルについてみていきましょう。

https://business.best-legal.jp/559/#i-3

前回はスチュワードシップコードについてご紹介しましたが、今回はコーポレートガバナンスコードです。

基本原則というものがあるそうですね(詳細はリンク先)

コーポレートガバナンスコードとスチュワードシップコードについて、その違いは押さえておいたほうがいいかもしれませんね!

 

  • ストラテジックキャピタル

2012年設立されたアクティビストファンドとであり、今まで紹介した二社に比べて若いファンドですね(OASIS 2002年、エフィッシモ 2006年)

HP:https://stracap.jp/

他のファンドと異なり、HPが整理されている印象がありますね。

株主提案についても年ごとに分けられていますので、興味があるものに触れてみると良いかもしれません。

 

さて東レ蝶理に対するストラテジックキャピタルの株主提案を見ていきましょう。ちなみに直接東レに対する提案というより子会社の蝶理への提案に取り組めといった内容化と思います。

https://toray-can-increase-the-value-of-chori.com/

 

蝶理に対する提案

1.独立社外取締役の選任

2.外部機関による取締役実効性評価の実施

3.剰余金処分の株主総会授権

4.配当性向100%を実現するための増配

5.株主との対話を促進するための資本コストの数値と計算根拠の開示

6.資本効率性を高めるための政策保有株式売却

 

これまでのブログで出てきていない内容としては6番ですかね。

2018年改訂のコーポレートガバナンスコード内にも原則として政策保有株式は縮減を求める内容となっておりますね。

 

政策保有株式:https://glossary.mizuho-sc.com/faq/show/2179?category_id=95&site_domain=default

 

さて、この政策保有株式とは何なのでしょうか?

政策保有株式とは、企業が他社との営業上の関係などを構築・維持するために保有している株式のことで、かつては日本企業の慣行として普及していたそうですね。

 

https://toyokeizai.net/articles/-/269632

上記の記事を見ていただくと、この政策保有株式の銘柄数が多い企業には銀行や損保といった金融機関が多いそうですね。

 

話は少しそれましたが、この政策保有株式は事業戦略上、取引先との関係構築力を高め取引を円滑に行う意図があったのでしょう。ただコーポレートガバナンスコード改定以降、政策保有株式保有の合理的な理由、資本コストに見合っているのか、保有に伴う便益を得られているのかを適切に検証し開示することが求められ、アクティビストにつつかれるようになってしまったのではないでしょうか。

 

ここまでアクティビストの株主提案についてみてきましたが、下記の3点に大きく分けられそうですね。

  • ガバナンス面の適正化について(取締役、監査役等の適切な選任について)
  • 保有する資産の適正化について(政策保有株式の有無について)
  • 資本構成の適正化について(余剰現金の必要性について)

いまいち分け方が綺麗ではないですが、引続き株主提案について見ていきつつアクティビストの戦略について深めていきたいと思います。

 

p.s.

最近起業欲高まってきたので、そういったマインドの人とお話してみたいです。

 

理系院卒と悩む、M&Aについて(アクティビスト編3)

 

こんにちは、ゆきです。

 

Twitterでもお話ししましたが、在宅勤務や長時間のデスクワークでストレスが溜まってしまうこと、よくありますよね。

ストレスはじわじわと溜まるので、自分なりのストレスチェッカーを作っておくと客観的に判断することができて良いと思います。

私の場合は、英文が読めなくなったり、英語が聞こえなくなったら合図、ということに気づきました。

またその時は、筋トレで全身筋肉痛になるまで体を追い込むと回復することも分かりました。

皆さんもストレスには気を付けてくださいね!

 

本日もアクティビスト関連の記事を書いていこうと思います。

 

 

 

  • 調べておくと良いワード

スチュワードシップコード

(参考:https://www.nomura.co.jp/terms/japan/su/A02233.html#:~:text=%E3%82%B9%E3%83%81%E3%83%A5%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%83%89%E3%82%B7%E3%83%83%E3%83%97%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%89%E3%81%AF%E3%80%81%E9%87%91%E8%9E%8D,%EF%BC%88%E8%A7%A3%E9%87%88%E6%8C%87%E9%87%9D%EF%BC%89%E3%81%AE%E3%81%93%E3%81%A8%E3%80%82

金融機関による投資先企業の経営監視などコーポレートガバナンスへの取り組みが不十分だった反省として、金融機関を中心とした機関投資家のあるべき姿を規定したガイダンスのこと。

大量保有報告書

(参照:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E9%87%8F%E4%BF%9D%E6%9C%89%E5%A0%B1%E5%91%8A%E6%9B%B8

上場会社の株検討や投資証券等を5%を超えて保有した場合に内閣総理大臣金融庁)に提出が義務付けられる法定書類。5%ルールとも言う。

 

  • エフィッシモキャピタルとは?

村上ファンド出身者が設立したファンド。以前紹介したオアシス マネジメント同様 アクティビストファンドに分類される(と思う)。

 

http://www.kabupro.jp/edx/E11852.htm

大量保有報告書をもとに見てみますと

ニチイ学館

日産車体

UACJ

鳥居医薬品

大阪製鐵

川崎汽船

ヤマダ電機等々、多くの企業に対し株を保有していますね。

しかも、保有割合が30%を超える企業も多いですね、、

 

今回はエフィッシモによる日産車体の株主提案についてみていきましょう。

 

  • 提案概要

↓提案

http://xn--tqq621cwpb5ydc7x1j0b.com/

ざっくり見てみますと、余剰資金を吐き出して配当性向を100%にしろということみたいですね。

その理由として、自己資本利益率ROE)が低いことが挙げられています。一般的に日本におけるROEの水準は8%程度に対し、当社は0.3%であり大きく下回る水準で低迷していることが指摘されております。

 

さて、ROEのお話が出てきましたが、(何かと話題の)PwCさんのアクティビストについてまとめた資料の10ページを見てみましょう。

 https://www.pwc.com/jp/ja/japan-knowledge/archive/assets/pdf/shareholder-activism-in-Japan1607.pdf 

PwCさんの資料の中でも指標として、資本利益率 vs 資本コスト、株価 vs 純資産、ROE が挙げられていますね。

また、この8%という数字、伊藤レポートというものが根幹にあるそうなので、これについても時間のある時見ていけれればと思います。

 

PwCさんの資料ではアクティビストの戦略は価値創造戦略と価値抽出戦略に大別できるようですね。

よくよく中身も読んでもらいたいのですが、価値創造戦略の場合、アクティビストと事業会社は長期的なお付き合いになるのではないでしょうか?

この辺りもファンドによって色が出そうなところでもあるので、株の保有期間とか整理できると良いかもしれませんね。

 

それでは本日はこの辺で。

 

明日も頑張っていきましょう!

理系院卒と悩む、M&Aについて(アクティビスト編2)

こんにちは、ゆきです。

 

前回はフジテックに対するオアシスの株主提案を見ていきました。

オアシスは5月に入り3社に対して株主提案を行い、前回はそのうちの一つ、フジテックに対して触れていきました。

余剰の現金で自己株式を消却して欲しいといったお話でしたね。

 

さて今回は三菱倉庫に対する提案を見ていきましょう。

提案内容は5つ

 

  1. 5%(100億円相当)の自己株式取得の実施
  2. 荒井  聡氏を社外取締役として選任
  3. 山川  丈人氏を社外取締役として選任
  4. 指名委員会等設置会社への移行
  5. 相談役・顧問等の廃止

1番の自己株式取得以外はガバナンス面での提案が多いように思います。

議決権行使助言会社 ISS がオアシスの提出した5件の株主提案すべてに賛成を推奨していました。この「米議決権行使助言会社」とは何んでしょうか?

 

参考(大和証券より):リンク

www.daiwa.jp

 

(特に?)機関投資家に対して、株主提案の議案を分析し賛否を助言する会社のようですね。大和証券のHPを見ると機関投資家の多くは助言会社が作成するレポートを参照して議決権を行使するみたいなので、今回の三菱倉庫に対する提案に対しISSが賛成を推奨していたのは影響があったのではないでしょうか?

 

ちなみに本提案に対する三菱倉庫の反応はというとこんな感じでした。

https://www.mitsubishi-logistics.co.jp/news/pdf/200508.pdf(5月8日)

こちらはオアシスの提案に対する意見です

https://www.mitsubishi-logistics.co.jp/ir/pdf/217_sokai_syosyu_hosoku.pdf(6月16日)

そしてISSが賛成を推奨した後に補足資料を追加で出しております。

それではオアシスの5つの提案に対し、5月のプレスでどのように反応していたのか簡単に見ていきましょう。(なお詳細や正確な情報は必ずプレスを見てくださいね!)

 

  • 5%(100億円相当)の自己株式取得の実施

もともと計画していたものであり、着実に自己株取得を進めている。一方コロナ禍で経済が見通せない中、早急な自己株取得は企業価値を損なう可能性があるため、取締役会では本議案に反対

当社が求める社外取締役としての資質の有無及び(起用に対する)リスクの有無を見極める十分な検討期間が必要であり、コロナ禍において十分合理的な判断を行う機関を設けられないため見送り

また、特定の大株主が推薦する社外取締役候補は、特定の大株主が社外取締役という本来独立性を有すべき人材を通じて、当該株主の利益を優先してしまうのではないかといったことも懸念されています。

  • 定款一部変更(指名委員会等設置会社への移行)

コーポレートガバナンスコードに基づき指名・報酬委員会の設置をしている。会社法では3つの機関設計(指名委員会等設置会社、監査当委員会設置会社監査役会者設置会社)のいずれかを採用することを求められており、当社においては監査役会設置会社を選択するのが現時点で最良と考えている。そのため反対。

  • 定款一部変更(相談役・顧問等の廃止)

当社の相談役、顧問は豊富な経験や人脈を生かした対外的な活動による社会的評価の向上への貢献に働いている。また当社の業務執行は相談役、顧問から独立性、実効性を備えて適切に運営されており、相談役、顧問についてもコーポレートガバナンス報告書で任意開示するなど透明性の確保にも努めている。そのため定款を一部変更してまで廃止の条文を新設する必要はない。

 

前回含め、株式を保有するアクティビストの株主提案にはプレスを通じてしっかりと対応していることがわかりますね。

また、ISSのような影響の大きい反応があった際には加えて補足も出るようですね。

 

今回の提案は主に

自己株式取得

ガバナンス面での提案

となっておりました。

 

引続きアクティビストがどのような観点で提案を行っているのか整理していきたいとおもいます。

 

 

 

理系院卒と悩む、M&Aについて(アクティビスト編)

こんにちは、ゆきです。

仕事がひと段落した後に英語の勉強をしてるんですが、今日は疲れてたのか英文が頭に入ってきませんでした。

過去に説いた問題を再び解いてみたのですが、正解してた問題も間違えてしまいました、、、、

体長官も仕事のうちですね、、、

 

今回はアクティビストについて気になった点をピックアップしていきましょう。

 

アクティビストとは

参考文献

https://www.nomura.co.jp/terms/japan/a/activist.html

一部抜粋すると、

株式を一定程度取得したうえで、投資先企業の経営陣に提言を行い企業価値の向上(ほんまか?)を目指す投資家のこと。

 

らしいです。

今回はオアシス マネジメント(https://ja.oasiscm.com/press-releases/)が最近提案した内容について触れていきたいと思います。

 

  1. 株主提案とは?

    そもそもオアシスが5月に連投していた株主提案声明とは何か(フジテック三菱倉庫、安藤ハザマ)。

     https://www.businesswire.com/news/home/20200526005527/en/Oasis-Statement-Shareholder-Proposals-Fujitecフジテック

    https://www.businesswire.com/news/home/20200525005162/en/Oasis-Statement-Shareholder-Proposals-Mitsubishi-Logistics三菱倉庫

    https://www.businesswire.com/news/home/20200520005592/en/Oasis-Statement-Shareholder-Proposals-Hazama-Ando(安藤ハザマ)

     

     株主提案とは、公開会社である取締役会設置会社の総株主の議決権100分の1以上または300個以上の議決権を6か月以上有する株主が提案権を行使することができるものとされています。つまり、株主からの企業への意見といった理解で良いですかね?

  2. フジテックに対する株主提案内容

    オアシスはフジテックに対し9.98%の自己株式の消却を提案しました。言い分としては、多額のキャッシュを持っているにもかかわらず、せっかくのコロナ禍でM&Aの好機ですのに、その意欲が乏しいように感じた。そして、自己株式保有による将来の資金調達の柔軟性を確保しているといったフジテック側の言い分に対しても、そのような調達が過去17年間実施されていない、と述べています。仮にフジテックによる自己株式の取得がなされれば、企業価値の向上につながり、株価が上がり(上がるの??)そのタイミングでオアシス側が株式を売却するものではないかと感じました。ちなみにこの提案が出された5月25日から26日にかけてフジテック側の株価は1,645円から1,654円とほぼ横ばいとなっております。結果として株主提案は否決されましたが、オアシス側の提案は賛成33%を獲得しました。この結果は意外と高いのでしょうか?。

 

次回は三菱倉庫に触れていきたいと思います。

三菱倉庫に対する提案は、一部提案内容に対しアメリカの議決権行使助言会社が賛成もしておりました。

議決権行使会社とは?影響は?などなど掘り下げてみていけれればと思います。

 

それでは皆さん次回もよろしくお願いいたします!!