理系院卒と悩む、M&Aについて(Part2)

こんにちは、ゆきです

前回の伊藤忠ファミマについて、引続き気になったところをピックアップしたいと思います。

https://www.family.co.jp/content/dam/family/ir/release/20200710_release.pdf(2020年7月10日に修正版がアップされていました)

 

今回の伊藤忠TOB、一度伊藤忠がファミマの株式を取得した後(厳密な話は中身を読んでほしい)、農林中央金庫全国農業協同組合連合会(以下農中及び全農)が資本参加するみたいですね(4ページ及び11ページ参照)。

 

20ページに農中と全農の資本参加の意義について触れられています。

唐突に農中と全農が出てきたわけではなく、伊藤忠とのこれまでの経緯を考慮した、より戦略的パートナーとして、このような形で参加することになったのでしょう。

ちなみに、SPCの買収資金として農中から一部融資を受けるといった記載もありましたね。

 

さて限界地銀マンの私としては、M&Aっていろんな人が絡むんだーといった印象ではあるのですが、このようなことを知っておくとインターンなどでは提案の幅も広がるのではないでしょうか。

 

伊藤忠のファミマTOBも、それだけでシナジーがありそうですが、今回のように買収資金の提供者に農中を絡ませて、戦略面の広がりを考えるなどもありかもしれませんね。

 

 

さて本日、TOBに関してソニーに動きがあったようですね

 

https://www.sony.co.jp/SonyInfo/IR/news/20200519_02J.pdf(2020年5月19日)

 https://www.sony.co.jp/SonyInfo/IR/news/20200714_J.pdf(2020年7月14日)

本件はソニーが子会社のソニーフィナンシャルを2,600円/株でTOBを実施しようとしたものですね。

本日のプレスを見ると下限7百万株取得に対して約123百万株買い付けを行ったことが記されています。

 

ちなみに5月のプレスでは買い付け価格2,600円に対し下記のように述べられています。

また、対象者は、以下の点等から、本公開買付価格である1株当たり2,600 円は対象者の一般株主の皆さまが享受すべき利益が確保された妥当な価格であり、本公開買付けは、対象者の一般株主の皆さまに対して適切なプレミアムを付した価格での合理的な対象者普通株式の売却の機会を提供するものであると判断したとのことです 

この文章、伊藤忠の一件と書きぶりが異なりますね。

 

本件ではフェアネス・オピニオンが出されています。

(参照:https://www.plutuscon.jp/services/2461

フェアネスオピニオンは第三者的立場としての意見だそうです。

(その分フィーも高いのだろうか、、、、)

さてさて、伊藤忠ファミマと同じように市場株価と比べ買付け価格はどの程度のプレミアムがついているのか、見ていきましょう

本公開買付価格である1株当たり 2,600 円は、本日の前営業日である 2020 年5月 18 日の東京証券取引所市場第一部における対象者普通株式終値 2,064 円に対して 25.97%、直近1ヵ月間(2020 年4月19 日から2020 年5月 18 日)の終値単純平均値 1,976 円に対して 31.58%、直近3ヵ月間(2020 年2月19 日から 2020 年5月 18 日)の終値単純平均値 1,939 円に対して 34.09%、直近6ヵ月間(2019 年 11月 19 日から 2020 年5月 18 日)の終値単純平均値 2,262 円に対して 14.94%のプレミアムをそれぞれ加えた金額となります。

6ヶ月平均で 約15パーセントみたいですね、、、、

ちなみに本件FAはゴールドマンサックス(買付側)とMUMSS(TOB対象側)(第三者機関としてプルータス)でしたね。

それぞれの算定結果もフットボールチャートで見ていきましょう(上からMUMSS、プルータス、GSの順です)。

    

   f:id:akanuke:20200714204637p:plain

超雑で申し訳ないです。注目したいのが一番高い値を付けているのが第三者算定機関であるプルータスなんですね。

なぜ??でしょうね~~~

 

今回はこの辺にして、次回も気になったお話について適当に話していきたいと思います。

(次回以降はオヌヌメ本の紹介やバリュエーションの作り方についてもお話していけたらと思います)

 

では~~