理系院卒と悩む、M&Aについて(アクティビスト編2)

こんにちは、ゆきです。

 

前回はフジテックに対するオアシスの株主提案を見ていきました。

オアシスは5月に入り3社に対して株主提案を行い、前回はそのうちの一つ、フジテックに対して触れていきました。

余剰の現金で自己株式を消却して欲しいといったお話でしたね。

 

さて今回は三菱倉庫に対する提案を見ていきましょう。

提案内容は5つ

 

  1. 5%(100億円相当)の自己株式取得の実施
  2. 荒井  聡氏を社外取締役として選任
  3. 山川  丈人氏を社外取締役として選任
  4. 指名委員会等設置会社への移行
  5. 相談役・顧問等の廃止

1番の自己株式取得以外はガバナンス面での提案が多いように思います。

議決権行使助言会社 ISS がオアシスの提出した5件の株主提案すべてに賛成を推奨していました。この「米議決権行使助言会社」とは何んでしょうか?

 

参考(大和証券より):リンク

www.daiwa.jp

 

(特に?)機関投資家に対して、株主提案の議案を分析し賛否を助言する会社のようですね。大和証券のHPを見ると機関投資家の多くは助言会社が作成するレポートを参照して議決権を行使するみたいなので、今回の三菱倉庫に対する提案に対しISSが賛成を推奨していたのは影響があったのではないでしょうか?

 

ちなみに本提案に対する三菱倉庫の反応はというとこんな感じでした。

https://www.mitsubishi-logistics.co.jp/news/pdf/200508.pdf(5月8日)

こちらはオアシスの提案に対する意見です

https://www.mitsubishi-logistics.co.jp/ir/pdf/217_sokai_syosyu_hosoku.pdf(6月16日)

そしてISSが賛成を推奨した後に補足資料を追加で出しております。

それではオアシスの5つの提案に対し、5月のプレスでどのように反応していたのか簡単に見ていきましょう。(なお詳細や正確な情報は必ずプレスを見てくださいね!)

 

  • 5%(100億円相当)の自己株式取得の実施

もともと計画していたものであり、着実に自己株取得を進めている。一方コロナ禍で経済が見通せない中、早急な自己株取得は企業価値を損なう可能性があるため、取締役会では本議案に反対

当社が求める社外取締役としての資質の有無及び(起用に対する)リスクの有無を見極める十分な検討期間が必要であり、コロナ禍において十分合理的な判断を行う機関を設けられないため見送り

また、特定の大株主が推薦する社外取締役候補は、特定の大株主が社外取締役という本来独立性を有すべき人材を通じて、当該株主の利益を優先してしまうのではないかといったことも懸念されています。

  • 定款一部変更(指名委員会等設置会社への移行)

コーポレートガバナンスコードに基づき指名・報酬委員会の設置をしている。会社法では3つの機関設計(指名委員会等設置会社、監査当委員会設置会社監査役会者設置会社)のいずれかを採用することを求められており、当社においては監査役会設置会社を選択するのが現時点で最良と考えている。そのため反対。

  • 定款一部変更(相談役・顧問等の廃止)

当社の相談役、顧問は豊富な経験や人脈を生かした対外的な活動による社会的評価の向上への貢献に働いている。また当社の業務執行は相談役、顧問から独立性、実効性を備えて適切に運営されており、相談役、顧問についてもコーポレートガバナンス報告書で任意開示するなど透明性の確保にも努めている。そのため定款を一部変更してまで廃止の条文を新設する必要はない。

 

前回含め、株式を保有するアクティビストの株主提案にはプレスを通じてしっかりと対応していることがわかりますね。

また、ISSのような影響の大きい反応があった際には加えて補足も出るようですね。

 

今回の提案は主に

自己株式取得

ガバナンス面での提案

となっておりました。

 

引続きアクティビストがどのような観点で提案を行っているのか整理していきたいとおもいます。