理系院卒と考える、SPAC上場について

こんにちはゆきです。

久しぶりの投稿になってしまいましたね.....

投稿してない間も緊急事態宣言が発令され、私も日常が戻らない日々を過ごしております。

運動不足の解消のために、日常生活の中で意識的に歩くことにしていますが、皆さんはどのようなことをしていらっしゃいますか?

室内でもできる運動、またこれに係るサービスが飛躍的に増えてきていると聞き、コロナによってビジネスの戦い方も変わってきたのかな?と感じます。

 

今回のブログの内容は、最近のホットトピックス、SPACについてです。

米国ではSPACの年間調達額が過去最高を迎え、今まさに日本でも導入の検討が始まりそうなところです。そもそもSPACとは何か、SPACの現状や話題の内容などについてまとめてみました。

 

本記事では、SPACに関する大枠を調べることを目的に記載しております。

もちろん私自身は専門家ではないので、より専門的な内容は相応の担当者の方にご相談ください。

 

 

 

 企業のIPOとSPACの上場の違いについて

米国におけるIPO手続き及びこれに係る課題について

SPACの上場について考える前に、一般的に企業がIPOするときに必要なプロセスを見ていきたいと思います。まず米国のIPO手続きですがPwC公式HPに分かり易くまとまっておりますので、詳しく知りたい方は下記URLをご参照ください。

米国証券取引所への上場のためのには、最短でも1.5~3年程度の準備期間が必要です。その期間に必要な手続きとしては下記のような点です。

(1)連結財務諸表の作成・監査

米国会計基準もしくは国際財務報告基準に準拠して連結財務諸表を作成する必要がある

(2)英文目論見書の作成

SEC(米国証券取引委員会)に Form F-1という書類を作成する必要があり、これが実質英文にて目論見書を作成することになります。*目論見書とは企業の概要や募集・売り出しをする株式の条件などが記載されているものです。米国のForm F-1では東京証券取引所への上場で必要な目論見書よりより詳細な記載が必要です。

(3)海外IR対応

もちろん投資家の方に企業の概要や業績を説明するためIR活動も必要になってきます。

(4)SEC対応

上場にあたってSECへのForm F-1のドラフト提出なども求められます。上場前にSECとForm F-1について十分やり取りをしていないと、その後のコメント対応で長い時間を要し上場のタイミングが後ろ倒しになる可能性があります。

(5)ガバナンスと内部統制の構築

SPACとは何か及び上場の手続きについて

 SPACとはSpecial Purpose Aquisition Company 特別買収目的会社の略で、その名の通り買収を目的とした会社です。そのためSPAC自身は上場時に事業を営んでいません。SPACによる買収の対象となる企業は現在上場していない会社、つまりは未公開会社となっていますがSPAC上場時には買収先が特定されていないといった特徴があります。またSPACのIPO手続きは従来の手続きと大きな違いはないと言われていますが、IPOまでの時間が非常に短いといった特徴もあります。これは上場手続きの中で開示しなければならない財務諸表などがとても簡素で、また過去の業績等も少ないため、企業のIPOに比べて管理及び整理しなければならない事項が少ないためです。SPACは一定期間内に会社(もしかして事業も可??)を買収することを目的とされています。上場時にはどの会社を買うのか不明なことからブランクチェックカンパニーとも呼ばれています。 

SPACによる間接的な上場のメリットや課題

【SPAC上場によるメリット】

 

【SPAC上場による課題】

  • 従来の方法ではIPOできなかった企業も上場可能になったため、中長期的なリスクの高まり
  • (DDによるリスク検証が不十分による)高値掴み(投資家及びSPAC目線)

  

一昔前にSPAC上場の課題として指摘されていた投資家保護の観点などは、対応策などが整備されてきており改善傾向にあります。

 SPACに関する統計データ

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*参考 SPAC Analytics ( https://www.spacanalytics.com/ )

 SPACに関するブログが乱立しSPACに関連するニュースが増えてきていることからも分かる通り、2020年に入りSPACの上場件数及び調達額が顕著に増加していることがわかります。2020年のSPAC調達額は2019年のそれより約6倍も多い値となっており市場の過熱感も見られます。 一部記事では、SPACによる調達額はすでに飽和状態であり、今後減少するだろうといったコメントもあるほどです。

 

Table1 deSPAC Period Common Share Return

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*参考 University of Florida finance professor Jay Ritter

https://site.warrington.ufl.edu/ritter/files/SPACs.pdf  )
 上記Tableは参考URLから抜粋したdeSPAC期間(starts from the first trading day as a merged company)のCommon Shares returnに関する分析結果の一部です。本記事(論文)では、年間のリターンが9%と言われているSPACについて分析し、なぜSPACを経由して上場を目指すのか、について調査されています。

 本記事はSPACのIPO件数やAUMの多い投資家等幅広いデータがまとめられています。SPACに関するデータを利用したい人にとって、大変有益な記事ではないでしょうか。

 

SPAC上場が実現した際のベンチャー業界への影響

SPACによる買収が増えるのではないか

 SPACは一定期間内に未公開会社を買収とすることを目的とされていることや、SPAC自体の上場が迅速に行えることからも、未上場ベンチャーの間接的な上場を後押しする使われ方をされています。企業がIPOするのには煩雑な手続きが必要ですが、SPACを活用することで、迅速な上場が可能になります。また、2019年に上場したSPACの80%以上、2020年(8月まで)に上場したSPACの多くがが現在買収先を探している状態です1。まだ買収が完了していない、上場しているSPACの数だけベンチャー企業の買収が行われるはずです。また、2020年だけでも250件近いSPACの上場が行われており、国をまたいだ買収劇も増えてくるのではないでしょうか。

 

 SPAC上場が増えそうな業界について

  正直この項目を入れるかについては悩みました。適当なことは書けませんからね.....今回参考文献1にて分析されている114件のSPACについて、Techが27件Biotechが6件、Energyが12件、Othersが69件となっていました。また、2020年にはSPACによるEV関連企業の買収も複数社(Nikola,Fisker,XL Fleet,ChargePoint 等)行われており、引続き2021年もEV企業の買収に資本が流れるのではないでしょうか2。 

 

今回、調べ纏めて考察するというプロセスで感じたこと

今回記事を書いてみて感じたことは、

・海外の方が情報が豊富だということ

・納得感のある考察をするには綿密なリサーチが必要

ということです。

 今回記事を書き始めるにあたり骨子を作ってみたのですが、内容が他ブログと似た陳腐なものになってしまいました。そのため、情報が豊富な海外の記事なんかも参考にして書いてみたところ、少しはまともな内容になったかな、と思います。

  ブログの最後にベンチャー業界への影響のについて書いてみたのですが、大きな論点を語るには小論点について綿密なリサーチと仮説の立証が必要だと再度認識させられました。今回は他の記事を参照にしてさらっと考察を引っ張ってきました。まぁ本気で考察するには、力も時間も足りないと研究を通して身に染みておりますので、引続きゆるふわな記事を皆さんに楽しんでもらえればと思います。

 

 あくまでも当ブログでは私の文章力、仮説構築力、情報収集力等を磨くことを目的にしておりますので、正確性が落ちてしまうことも多々あるかと思います。その点はご容赦ください。

 

 

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